段戸句会年間大賞
平成29年度段戸句会年間大賞 平田冬か先生選
<大賞>   
遠足の今日何度目の点呼かな 野村親信
引率の先生の一番の心配事がそれとなく伝わり「遠足」らしさが捉えてあります。

<準大賞>   
散髪を終へし襟足春の風  鈴木康允 
散髪後の男性の襟足が匂やかです。「春の風」の斡旋が良かったです。

蛍火や流人の墓は石ひとつ  宮崎勉 
流人の墓が石一つと具体的であり、「蛍火」の情趣がいっそう哀れさを誘います。

深谷美智子さんの「終電で帰る子待てる夜なべかな」、市川毅さんの「老妻はながら族なり毛糸編む」も捨てがたく思いました。

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平成28年度段戸句会年間大賞 平田冬か先生選
<大賞>   
荒神輿みんな写楽の顔となる 野村親信
相当に重量のある神輿を荒々しく揉みながら練り歩いている男衆です。肩にかかる重さに耐えている必死の形相が「写楽の顔」と直感したのです。厳密に写楽のどの絵と言われても困りますが、とにかく抜群に面白かったです。

<準大賞>   
炎天に踏み出す一歩深呼吸  宮崎 勉 
影一つない炎天下を歩くのは苦行です。どうしても行かねばならない用件があって炎天を行くときの覚悟の様なものが「深呼吸」 から伝わってきます。読む方も、深呼吸して一歩踏み出す気分にさせます。

自動ドア開くや落葉を招き入れ  大田 武 
常識にとらわれない物の見方が特に俳句を詠む上で大切です。自動ドアは、人の出入りのためのものという常識にとらわれないで、自動ドアが落葉を招き入れたと捉えたところがよかったです。

他に小森葆子さんの「木の芽どき木々のつぶやき聞こえさう」もよかったです。
平成27年、全投句455句の中から、平田冬か先生に選・句評をお願いいたしました。
<大賞>   
母の日にもてなす男料理かな 鈴の木正紘
「母の日」の句として新鮮でした。どのような料理を作って母上をもてなしたのでしょう。ぶっきらぼうな表現ながら母親に対する愛情が溢れています。

<準大賞>   
おでん煮て妻は3日の留守を告ぐ  小森葆子 
いつも留守勝ちの妻です。その度におでんを煮て出かけるのが常でした。おや、今日はやけにたくさん煮ているなと思っら3日も旅に出ると告げられました。この夫婦の普段の力関係というよりは夫のやさしさが想像されます。

おはようと日々指弾く金魚鉢  鈴木 寛  
飼っている金魚は家族同様です。元気かどうか気になるものです。毎朝金魚の鉢を覗きながら指で弾いて「おはよう!」と声をかけ元気でいること確かめるのです。