段戸華教室
段戸会副会長でもあり、華の作家として日本及び海外で幅広くご活躍中の
水谷鏡子さん(高14回)のご指導をいただき、
2010年7月31日(土)に、第18回段戸華教室を開催いたしました。

今回は参加者4名で、新しい花の世界「オートクチュール・フルール」の「手作りのコサージュ」を
教えていただきました。(写真:水谷先生の見本)


作品作りの前に、日本の生け花と西洋のフラワーデザインとの相違点についご講義いただきました。

前者は、例えば、あるものを除くことで別のものを生かすというように、最小限の花材で最大限の効果を表現し、
空間の中の繊細な「線」に美を見出すもの、
後者は、造形美を主とし、圧倒的なパワーを表現するために「塊」を重視するもの、ということでした。

日本と西洋における花の世界それぞれの成り立ちや自然環境、歴史、精神性の違いといった観点も交えて、
両者の違いについて大変興味深く教えていただきました。


さて、作品作りです。

材料はキットになっており、今回使用したものには、花としてアジサイ、パンジー、飾りとしてボタン、ビーズ、リボン、ネット、そして、コサージュ用の金具が含まれていました。

まず下準備です。

アジサイとパンジーの花びらを茎からはずし、ばらばらにします。
生花ではないものの大胆な作業に、皆さん最初はためらっていました。(写真:左)

アジサイの花びら数枚にはネットをかぶせます。
ネットの端はボンドで止めるので工作のようでした。(写真:右)
 
   


花の中心作りです。(写真:左)

ボタンに針金を通して一ひねり。
その針金にパンジーの花びらを通し、ボタンを中心に丸く重ねていきます。

次にアジサイ。
アジサイの花びらはワイヤーとテープを使って中心を固定します。(写真:中)

花びらの中心を少し巻き込みながら、針金にテープを「こより」のように巻きつけるのは難しい作業でしたが、
先生が一人ひとりを丁寧に見てくださいましたし、お話にも花が咲いて、とても楽しいひと時となりました。(写真:右)
     


いよいよ、コサージュの形作りです。

準備したアジサイの花びらを思い思いの形に重ねていきます。
立体的なもの、丸いもの・・・皆さんそれぞれのイメージで組み立てていきます。
まったく同じ材料なのに一人ひとり違った作品になるのが本当に面白くまた魅力的です。

最後にワイヤーを短く切り、留め金を付けます。(写真左)
仕上げにビーズをあしらい完成です。(写真:右)
   


洋服、バック、帽子など、いろいろなものに合う素敵なコサージュが出来上がりました。

次回、第19回のレッスンは11月14日(日)です。
たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。

(文責:杉本(47回)、鳥居(50回))

   
 【段戸会華教室に参加された皆さんの感想】

▼記録的な真夏日が続く7月の最終日、アトリエの前の並木道は一年で一番緑の濃い時期でしょうか、空気がゆらゆら揺れています。汗を拭いつつ訪れると、一変してサロンは上品な空間です。
今回はオートクチュール・フルールいうことで、猛暑にしおれることもありません(笑)
いつもレッスンでは新しい体験をさせてもらっていますが、花を創るというのは正に初めてのことでした。
新しいことをするのはワクワクします。
皆さん、同じ材料でもその人らしさが出るのは不思議とおっしゃいます。私は悪戦苦闘して何とか花らしい形にするのが精一杯でした。(それでも先生の手助けでそれなりに素敵に仕上がるのが不思議です。)
自分なりの表現などというのは基礎があってこそと痛感しました。千里の道も一歩から。楽しみつつ、これからも少しずつ花の世界に触れていきたいです。
杉本いづみ(47回)



▼初めて参加した前回の華教室がとても楽しかったので、また参加させていただきました。今回も水谷先生は「花を生かす」ことについてお話しくださり、花に触れることで感化されその人自身が変化していく、とおっしゃっていましたが、まさにそれを実感できる楽しいひと時です。
イメージを膨らませながら「世界に一つだけの花」を作るのに夢中でした。参加されている皆さんお一人お一人の作品がそれぞれにとても魅力的で素敵なので、それを見せていただけるのも嬉しいです。明るく楽しい雰囲気に包まれていることが作品作りにも影響しているものと思います。
このコサージュをつけてお出かけするのがとても楽しみです。
本当にありがとうございました。次回も心から楽しみにしております。
鳥居福代(50回)