うだるような暑さの8月3日(日)の午後、第12回華教室が行われました。
今回はこの暑さにも耐えうる、プリザーブドフラワーを使ったアレンジメントを教えていただきました。
いつもは生花を扱ったアレンジメントのレッスンでしたが、今回は初めての花材でしたので、あれこれ興味津々で臨みました。
はじまる前に水谷先生から、「なぜ日本に世界に誇る生け花の文化が育ったのか」という問いかけがありました。
それは、南北にのび海に囲まれた島国に豊かな植物群に恵まれたことと、四季の変化があるという風土条件が大きいということでした。
この風土条件の中で私たちの祖先が最初に自然に抱いた思いは、自然を畏れ敬う、自然感情でした。
農耕民族としての日本人は、豊かな自然に寄り添って生きているあいだに、自然にも命があり、個性もあることを感じ取ってきたのです。
さらに、そこに仏教文化が加わって、花を仏様に供えると言う行為が、ひとつの花の文化にまで高められていった、とお教えいただきました。
また、今の生け花は中世には、ほぼ立華が完成されていた、ということも、当時の資料をみせていただき、その時代の素晴らしい作品をみて納得しました。
お話を伺い、日本人としてまさに世界に誇るに値する生け花について意識を新たにしました。
「プリザーブドフラワー」とは、オーガニック系の染料を吸わせ、特殊加工を施すことで、自然な姿や風合い、鮮やかな色彩のまま長期間保存が可能な加工花のことです。最近ではよく見かけるようになりました。
今回の花材は、
プリザーブド:オレンジ、白、黄色のばら(大4輪、小2輪)・あじさい
ドライフラワー:ピンクのペッパーベリー
シルクフラワー:葉物2種、ブラックベリー、オレンジの八重のコスモス です。
器は、蓋の上部が透明のプラスチックでできた筒型ペーパーBOXです。
まず、箱の底に粘土でピックを取り付け、サハラをさします。
箱より1cm程高くして、サハラをカットし、面取りをします。
(生花のときは、「オアシス」、ドライフラワーのときは、「サハラ」、面白いですね!)
次にプリザーブドフラワーには茎がないため、ワイヤーで茎を作ります。
それ以外にも、茎が弱いもの、短いものにはすべてワイヤーを利用します。(今回ばら大:シルバー18、小:シルバー26、葉物:グリーン24、あじさい:シルバー26使用)
大きい葉3枚でアウトラインを決めて、そこに小さい葉を重ねていきます。大きい葉を器のラインに挿すことがポイントです。
中心に一番きれいな大きいばらを入れた後は、実物とあじさいで間をうめるようにして雰囲気をだします。
小さいものは高くする、足元がかくれるように隙間を埋める、とご指摘をいただきながら、それぞれ自分の個性のあらわれた作品が作られていきます。
水谷先生の一言で新しい発見があったり、作品がさらによくなったりし、皆で感心することしきり・・・
最後にBOXにリボンをかけてできあがり。夏らしく足元に貝殻をちらして、飾りました。
小さなBOXから溢れんばかりの花々・・・動きのある素敵な作品に仕上がりました。
高34回 相木小百合
次回のレッスンはクリスマス前に開催する予定です。
初めての方も大歓迎です。どうぞ皆様、ご参加下さいませ。
<華教室に参加した方のご感想>
「第12回段戸華教室に参加して」
夏の日差しが木々に輝く日曜日の午後、大正様式の駅舎と噴水を抱えた、ロータリーのある田園調布駅前の素敵なアトリエでの、第12回段戸華教室に参加させて戴きました。
今回は、プリザーブドフラワーのアレンジメントのレッスンでした。
プリザーブドフラワーは、お花にオーガニック系の染料を吸わせ、特殊な加工を施した加工花で、長期間保存が出来、鮮やかで、豊富な色彩のバリエーション、プリザーブドフラワー以外の素材との組み合わせも可能、など生花の時と又違ったアレンジメントを教えて戴きました。
オレンジ、黄色、葡萄色、茶色系など一足早く秋を先取りした様なお洒落な色彩のアレンジメントでした。
材料は皆同じですが、それぞれが個性的な作品に出来上がり、いつもながらアレンジメントの奥深さを感じました。
作品終了後のお茶とお菓子の楽しいおしゃべりのひと時、次回もまた参加させて戴きたいと楽しみにしています。
高17回 佐伯寛子
HPアップ:高45回 西浦
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